おち

おち
I
おち
(接頭)
〔「うち」の転という〕
動詞に付いて, 強調の意を表す。

「酒~飲て悠々と無心になつてをるぞ/四河入海 16」

II
おち【変若ち・復ち】
〔動詞「おつ(変若)」の連用形から〕
(1)もとに戻ること。

「手放れも~もかやすき/万葉 4011」

(2)若返ること。
III
おち【御乳】
「御乳の人」の略。

「涙は~が胸の内/浄瑠璃・先代萩」

IV
おち【条】
いくつかに分かれている事項を数えるのに用いる語。 条(ジヨウ)。 箇条。

「憲法(イツクシキノリ)十七(トオアマリナナ)~/日本書紀(推古訓)」

V
おち【洿池】
地面のくぼんだ所に水がたまって池のようになったもの。 みずたまり。
VI
おち【落ち】
(1)あるべきものが漏れていること。

「名簿に~がある」

(2)物事の行きつくところ。 結末。

「恥をかくのが~だ」

(3)落語などで, 最後の, 洒落などで話を結ぶ部分。 下げ。

「~がつく」

(4)同類の中で品質の劣ったもの。 地位の下がるもの。

「かういふ頭(カシラ)を二十八文にも売らねえきやあ~へ行つてしかたがねえ/滑稽本・浮世風呂 4」

(5)よい結果。 よい評判。

「ちよく逢はれる人の方へ~の来るのは/人情本・縁結娯色糸」

~を取・る
喝采(カツサイ)を浴びる。 当たりを取る。

「一ばん~・る気はねえか, どうだ/滑稽本・膝栗毛 7」

VII
おち【越智】
姓氏の一。
(1)中世, 伊予国の豪族。 瀬戸内の水運で河野・土居・得能などの一族とともに繁栄した。
(2)中世, 大和国南部の豪族。 高市郡越智城を拠点とし, 応仁の乱後南大和をほぼ統一。
VIII
おち【遠・彼方】
遠称の指示代名詞。
(1)多く隔たっている場所を指す。 ある地点より向こうの場所をもいう。

「白雲の八重に重なる~にても思はむ人に心へだつな/古今(離別)」「知り給ふ所は川より~にいと広く/源氏(椎本)」

(2)遠く隔たっている時を指す。 ある時を中心として, それ以前とそれ以後と両方がある。

「ま玉つく~をしかねて思へこそ一重の衣ひとり着て寝(ヌ)れ/万葉 2853」「昨日より~をば知らず百年の/拾遺(雑賀)」


Japanese explanatory dictionaries. 2013.

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